栄養士コラム

第108回「今そこにいる子ども達に何を伝えたいのか?」

大留光子

元栄養教諭

大留光子

現役を引退して、今は大学・専門学校で栄養士養成と養護教諭必修の科目授業に携わり6年が経とうとしています。学校給食現場からは離れましたが、栄養士・給食・健康栄養・食育に関連した仕事は、細々と続けています。そんな私が、これまでを振り返り何かお役に立てればとペンをとりました。学校給食サイト「おkayu」も合わせて検索していただけると嬉しいです。

給食は、栄養士からのメッセージ

献立を考える時、きっと頭の中にはいろいろなキーワードが浮かんでいることと思います。行事食、旬の味、知らせたい食品、郷土食、食文化等々。毎日の給食には、伝えたい思いなどメッセージが盛り込まれているはずです。でもそれは目には見えません、だから、きょうの給食について、給食時の学級訪問や教室に向けてのお便りで伝えましょう。

きょうの給食でどんな食育ができますか

食育を推進するにあたって最も重要なことは、食教育の教材となりうる給食を調理師さんと共に創造することです。「おいしい給食」「心待ちにする給食」を目指して、楽しい給食時間を提供しましょう。
誰のための給食か?主人公である「子どもの声」に耳を傾けましょう。おたよりポストを設置したり、子どもとの交換ノートを始めてみるのもいいですね。子どもの嗜好に迎合するのではなく、大人の声にも左右されない「子どもの心と身体を育てる(味覚の土台を築く)給食」をめざしましょう。自分なりの目当てを持ち、スローガンを掲げましょう。

ひとり職種だからこそ連携を

専門職というけれど、孤軍奮闘しているだけでは食育(食教育)は進みません。子どもに携わる人たちと連携して、様々な場面でたゆまなく「食の大切さ」や「味わう楽しみ」、「人と食べものの関わり」などを伝えていきましょう。栄養士はマルチ人間を求められがちですが、一人で頑張り過ぎないこと。
子どものそばにいる人(保護者や担任)の一言が子どもの心に沁みていくものです。食育の大切さをまず伝えるのは、その人たちなのかもしれません。
「酸いも甘いも噛み分けられる味な人」という言葉がありますが、子ども達に「味な人」になってもらいたくて、給食づくりと食育を、私は35年間続けてきたような気がします。

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