栄養士コラム

第106回「先生方と連携し、思いを共有した食育」

臼田典子

岐阜県加茂郡七宗町立神渕小学校栄養教諭

臼田典子

私は平成21年に栄養教諭として採用され、当初は、とにかく食育の成果を出さなくてはという思いでした。しかし食育を推進するためには、学校組織で行うことが大事であるとの考えに、少しずつ変わりました。

有り難い校長の後押し

そうした中、本務校である中学校(前任校)が文科省のスーパー食育スクール事業の指定を受けることになりました。私はかねてから、中学生こそ食育が必要と考えていました。食を学び、自分で実践することができれば、卒業してからもきっと食を大切にし、がんばる力につながるだろうとの思いがあったからです。
生徒は技術・家庭で、中学生の時期に必要な栄養素を学習します。これを更に家庭での食生活に生かせるよう、「鉄とカルシウムの栄養指導」をテーマに食育に取り組みました。校長先生が、食育の重要性を職員会で先生方に、PTA総会で保護者に話してくださったりと、後押ししていただけたことが大変有り難かったです。

効果的な指導の工夫

中学校では、限られた時間で給食を食べるだけでも大変です。日頃、忙しい先生方と無理なく出来る食育を考えました。効果的だったと思える事例を紹介します。
①給食時間の指導
毎週木曜日を「健康を考える日」とし、栄養教諭が全校生徒に放送で献立の説明をした後、先生方にはお渡しした資料をもとに、放送のくり返しでもいいので一言話してもらいました。いつもなら聞き流してしまう放送も、学級担任の一言が加わることで、効果がありました。
また先生方には、自分の食体験を放送で順番で語ってもらいました。校長先生は「祖母が教えてくれた根菜の話」、教頭先生は「箱根駅伝と鉄分の摂取」など。先生方のバラエティに富んだ話題は、生徒の興味関心を高めることができました。
②授業実践
題材名「体にいい朝食をとるための改善点を考え、実践しよう」の授業で、自分から指導案を提案しました。しかし学級担任との打ち合わの場で「A君はいつも朝ご飯を食べていないから」、「Bさんの意識を変えたいから」など奥の深い考えがあることを知り、思いに添った指導に訂正することになりました。
私たちは、普段、自分の考えで食の授業を行いがちです。しかし生徒の状況をよく知る学級担任の思いを織り込んで指導することが、個々の生徒たちの変化につながり、より効果があることを痛感しました。

連携には人間関係が大切

先生方と連携した食育を行うためには、日頃の人間関係が大切です。学校での行事等も積極的に参加し、先生方との会話も大切にしています。
給食センターでは、調理員との関わりも大事にしています。調理員を育て、信頼することで、安心して学校に行くことができます。そして、学校での子どもたちの様子を調理員にも伝えます。給食センターと学校との架け橋になれるようにと思っています。
食育が担う役割は大きく、子どもたちが培った食の力を将来の食生活や健康づくりに役立て、自分の未来をよりよいものにしてくれることを願っています。
(七宗町給食センター勤務)

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